仁井田本家「番外自然酒」 自然派仕込生原酒の特徴
市販品で「暫定最強」(2015-10-12時点)の日本酒。最低限の作業工程と温度管理で、米由来のさまざまな味わいを楽しめます。
仁井田本家「番外自然酒」 自然派仕込生原酒の味わい
手放しに褒められる日本酒。とにかく実直というか誠実というか潔しというか、曇り、ごまかしが一切ありません。
米由来の甘味、旨味、酸味、辛味、苦味、渋味がすべて包み隠さず現れています。
それゆえに、一口飲むだけで、まるでクリムトの絵柄のようにきらびやかな味わいの世界が目前に広がります。
またアルコール発酵由来と思われる二酸化炭素、つまり炭酸があり、シュワシュワと繊細な泡が舌上に感じられます。今流行のスパークリング日本酒としてみても楽しめる嬉しさ。
ちなみに米は、農薬と化学肥料を一切使っていないそうで(この蔵ではそれを自然米と呼んでいるそうです。)、蔵のこだわりが感じられます。
しかし田んぼというのはそもそも自然を開拓した工場みたいなもので、ある意味「自然」の真逆に位置するような存在ですらあると思うのですが、恐らく米と共に育ってきた民族の歴史からみた時の「自然」に立ち返ろう、という意図なのでしょう。
ろ過はされているようですが、綺麗な琥珀色をしており、火入れしないことで風味を損ねずに瓶詰めできているのだと思います。
またこちらの蔵「仁井田本家」では、仕込みを汲み出し4段で行っている(平たく言うと、米と麹と水の追加を4度に分けること)ことが特徴だそうですが、あえてそれを行ってないそうです。
恐らく、発酵槽に原料を一度で入れてあとは温度等の管理のみ、という作り方なのでしょう。
私がこれまで飲んで来て最も美味しかった酒は、食用と同等程度に精白されたヒノヒカリ(酒造属好適米ではなく食用米)のどぶろくの上澄みを汲んだ、最も原始的な純米無濾過生原酒なのですが、それに最も近い味がします。
本州に住む米を愛した「いち民族」の誇りをもっとも忠実に体現した奇跡的な一品とまで言っても過言ではないと思います。
大した数の日本酒を飲んでいませんが、市販品としては暫定でNo.1、最強のお酒です。
仁井田本家「番外自然酒」自然派仕込生原酒 の総評
- 人の作為を極力廃した原始的な作り方
- 市販品としては最強に美味しいお酒(2015-10-12暫定1位)
当然ながら生酒なので酵母が生きており、腸にもいいですよ。
とにかく文句無しでオススメです!最強!
銘柄 | 番外自然酒 生酛純米 自然派仕込生原酒 |
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蔵 | (有)仁井田本家 |
蔵の住所 | 福島県郡山市田村町金沢字高屋敷一三九番地 |
種別 | 生酛純米生原酒 |
内容量 | 720ml |
日本酒度 | – |
酸度 | – |
原材料 | 米・米麹(国産米100%) |
精米歩合 | 70% |
度数 | 16度 |