【顔が見える酒】雲雀(ひばり)通潤酒造

通潤酒造の純米酒、雲雀(ひばり)は、同社の蔵がある熊本県上益城郡山都町にて町ぐるみで作る特別なお酒です。

通潤酒造の雲雀(ひばり)について

この「雲雀(ひばり)」は生産量が少ないため、なかなかお目にかかれません。

というのは、限られた田んぼで、決まった生産者によって作られる米のみをもって仕込むためです。それゆえ、「顔が見える酒」というコンセプトが知られています。

じつはこの雲雀をつくる蔵「通潤酒造」がある熊本県上益城郡山都町は筆者の地元でもあり、この雲雀をつくる田んぼについても子供の頃からよく知っていました。

雲雀の原料米が作られる田んぼは、近所の観光名所のひとつになっている「池尻の傘松」(一本松とも)がある丘のふもとにあり、その唐傘松への遠足の道中に毎年となりを通っていたものです。

雲雀(ひばり)の原料米が作られる田んぼ。地元の小学生の遠足コースにある。
雲雀(ひばり)の原料米が作られる田んぼ。地元の小学生の遠足コースにある。

30代にさしかかる今でも、実家に帰った際は散歩コースとして、往復2時間ほどかけて歩いています。やはり幼少に住み慣れた地域というものはよいものです。そうした観点でも、この雲雀(ひばり)には特別な思いが入ろうというものです。

山都町の田んぼ。奥に見えるのが池尻の唐傘松。地元の小中学生の遠足の目的地はここ。
山都町の田んぼ。奥に見えるのが池尻の唐傘松。地元の小中学生の遠足の目的地はここ。

さて、そんな雲雀(ひばり)の香りと味わいです。

香りはアルコールに溶け込んだ華やかな甘みと、米のやわらかで馥郁とした香り。吟醸香こそないものの、燗につけても崩れない力強い酒質を感じます。

味わいは、純米酒らしい骨太で厚みのある印象。体熱で口中香が開きますが、やはりこれは燗をつけた方が美味しくなるでしょう。

というわけで軽く燗をつけました。やはり正解です。熱を加えることで、力強さのうえに華やかさが増し、より豊かな香りの世界を楽しめるようになりました。

しっかりと火入れされているようで、冷で飲むよりは、強めの燗につけて食事と合わせて飲むのが一番上等な味わい方であるといえるでしょう。

通潤酒造の「雲雀(ひばり)」の総評

非常にできのよい、バランスのとれた純米酒であると言えるでしょう。熊本の一部の酒屋でないとまず手に入らない貴重な銘柄ですが、山都町までお越しになれば、多くの酒屋で見つかるほか、通潤酒造の直売店でも購入可能です。おすすめ!

雲雀(ひばり)の背面ラベル。こなれていないフォントに文章が手作り感があって素敵です。
雲雀(ひばり)の背面ラベル。こなれていないフォントに文章が手作り感があって素敵です。
銘柄 雲雀(ひばり)
生産者 通潤酒造株式会社
生産者の住所 熊本県上益城郡山都町浜町54
種別 純米酒
内容量 720ml
日本酒度
酸度
酵母
原材料 米(熊本県山都町産)・米麹 (熊本県山都町産米)
精米歩合 60%
アルコール度数 15度

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